【開催レポート】こすぎdeオト旅しよう♪琵琶とネパール・サーランギ~旅×音楽vol.2~


オト旅。それは音で世界を旅する、音の世界を旅するワークショップ。
子どもも大人も一緒に「オト旅」の世界を旅してきました。

プログラム

1.この曲どこからきたでしょう?クイズ
おなじみのあの曲はどの国で作られたのかな?

2.知ってる楽器を教えて!
どんな楽器を知っているかな。どんどん教えて!

3.琵琶&サーランギー登場!
本日の主役。間近で見て聴いて感じてみよう。
どんな楽器なのか、演奏者さんの説明も楽しみですね♪

4.みんなで合奏
教会オルガニストの伴奏で琵琶とサーランギーと一緒に「パッヘルベルのカノン」の合奏にチャレンジ!演奏したい楽器を持ってきてね。音が出るものだったら何でも楽器だよ。

1.この曲どこからきたでしょう?クイズ


・鼻から牛乳(トッカータとフーガ)
・一週間 → コロブチカ(テトリス) → トロイカ
・大きな古時計
・きよしこの夜

イントロをキーボードで弾いて、生まれた国を答えるクイズ大会。その国の場所を地図で探したりもしました。最初は椅子に座っていた子供たちも地図の前に陣取り、知っている国を片っ端から揚げていくクイズへと変化。どの曲も正解までたどり着けてホッとしました。

最後の問題の「きよしこの夜」は、オーストリア・ザルツブルク近郊でつくられたと言われています。ザルツブルクは川崎市の友好都市でもあります。川崎駅にある「ザルツブルクの鐘」、皆さんご覧になったことはありますでしょうか。広い世界も自分の住んでいる場所と密接な関わりがあるのですね~。他の姉妹都市・友好都市もぜひ探してみてください。

2.知ってる楽器を教えて!

知っている楽器をどんどん挙げてもらい、グラフィックレコーディングで纏めるという趣向でしたが、子供たちの怒涛の発言にレコーディングが全く追いつかないという結果に。物凄い子供たちのパワー!!大人も負けずに二胡や馬頭琴など、子どもには思いつかない楽器を沢山挙げてくださいましたね。

3.琵琶&サーランギー登場!

いよいよ本日のメイン、琵琶とサーランギーの登場です。まずはサーランギーから。民族衣装を纏って登壇してくださいました。ネパールではこちらのストールを身に着けないこと=裸でいること、とみなされるそうですよ!

<サーランギー奏者:中川路 のぞみ>
52歳で初めて神奈川を離れ、一人暮らしをネパールで始める(JICAシニア海外ボランティア)。
行く前から民族楽器に触れることを決め、現地でサーランギー(弦楽器)を習う。
カースト制度のお国柄、楽器演奏は低カーストのすることと、高カーストの同僚には歓迎されなかった。
現在は、ネパールから帰国したボランティア仲間らとネパール楽器でネパール音楽を演奏するグループ「バンチャ・パリワール」に参加、マーダル(太鼓)、バンスリ(篠笛)と共に合奏を楽しんでいる。
そもそもは、ハードロックをこよなく愛する鍵盤楽器愛好家。


ネパールの説明から楽器の知識まで、1年間×2回の滞在経験で培われた知識と経験を惜しみなく披露してくださいました。こちらの写真は国旗の形にびっくりしているところ。二度と忘れることはないでしょう。

世界で一番高い山の標高を高学年のお子さまがピタリと答えた時には感嘆の声があがると共に場が締まりましたね。


実技を交えてのサーランギーの説明。子どもも自由に考えを口に出します。日本では滅多に目にすることのない楽器に触れ、テンションは上がる一方です。

続いて琵琶の説明と演奏です。


<演出家・琵琶奏者:Ash>
 高校時代に女子校で『レ・ミゼラブル』を上演する団体に入り、ミュージカルに開眼する。20歳の頃、世界80都市でミュージカルの舞台に立ち、ドイツの子供向けサーカスに出演する。帰国後は、日本発のミュージカルを海外に輸出することに興味を抱き、伝統芸能、および演出の勉強をするために東京芸術大学に入学。
在学中に、ク・ナウカ シアターカンパニーの一員となり、多くの海外公演を経験する。演出を師事した宮城聰の静岡舞台芸術センター芸術監督就任とともに、川崎に拠点を移し、カワサキアリスの前身・ソラソバティを立ち上げる。
 現在は川崎ファクトリーレジデントアーティスト、県立川崎高校演劇部講師として地域と演劇の可能性を探る制作をしつつ、錦琵琶奏者として各地で演奏活動をする。
一児の母であり、川崎で世界的な児童演劇祭を開催することが目下の目標。

雨の中着物で来てくださったAshさん。まずは琵琶の説明からはいります。薩摩琵琶と筑前琵琶の違いなど大人も初耳のことばかり。

そしてサプライズで子供たちも演奏に参加することになりました。琵琶は物語とともに奏でられるもの。そのセリフの一部を子供たちが担ったのです。


女「われこそは みなもとのうしわかなり。おんみは たぞ」
男「それがしは さいとうのかたわらにすむ むさしぼうべんけいにてそうろう」

そして演奏開始。

大役を果たした子供たちは、どんどん琵琶の周りに集まります。どの顔も真剣。



譜面がいつも見慣れている西洋音楽のものと違うことに気が付き、覗き込み譜めくりを始める子も。

最後には子供たちに取り囲まれてしまったAshさん。大人の方には見づらく申し訳ありませんでしたが、本物に触れた時の子供たちの正直な反応に感動した一瞬でもありました。

そして再びサーランギーの演奏。

ネパールに訪れた観光客が必ず耳にするだろう演奏を披露してくださいました。その軽快なリズムとゆらぎのある楽器の音色に、自然と体が動き出してしまいます。


ほうら、このとおり!踊りは仕込みじゃないですよー。座っている方もみんな笑顔なんです。琵琶の時は飲み込まれるような眼差しをしていた子供たちも、サーランギーの音色には体を揺らしたり、2人で組になって手遊びを始めたり。

楽器や演奏の違いで、ここまで受け手側も変わるものかと正直驚きました。そして、受け取ったものを自由に表現できるオト旅をひらいてよかったなと。

4.みんなで合奏
一生において、琵琶&サーランギのプロの演奏と共に自分の持参した楽器でセッション出来る機会なんてそうないはず!とうとう楽器を合わせる瞬間がやって来ました。曲目は「パッヘルベルのカノン」。教会オルガニストの安定した演奏を軸に合わせていきます。


左からサーランギー・琵琶・キーボード。参加者の手元には幼いころ使っていた想い出の木琴や、身近にあるモノで工作してくれた楽器がずらり。山登り名人は熊よけの鈴を持参してくださいましたよ。


念入りに音出しの調整をして、いざ合奏へ!


動画は本番の演奏。1回目のリハーサルよりも音楽に纏まりが出ました。テンポがゆったりした曲なので、それぞれの楽器の音色の響きがより濃く感じられたのではないかと思います。




会の終了後には、子どもも大人も楽器を囲む姿が見られました。

今後旅に出た時にはその土地にどんな音や音楽が根付いているのか、逆に楽器に接した時にそれがどんな所でどの様な背景を負って今のカタチへと変化してきたのかなど、自分なりの「オト旅」を見つけてくださいね。
今回の「オト旅」が沢山のはてなを生み出すキッカケになっていたら嬉しいです。

さて、次回のこすぎトラベラーズサロン/親子旅育推進部は 6/17 「旅×ダンス 世界の扉をダンスであけよう!」 です。世界中を旅しながら子供たちにダンスを教えてきた大脇史門さんをゲストにお迎えします。Come and join us ♡


~覚書~
日時:2017/5/13(土) 9:30-11:30
参加人数:大人:20名 子ども:10名
イベントページ:https://www.facebook.com/events/202537003576096

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