2016/1/9〜2/28 企画展「ようそこ日本へ 1920-30年代のツーリズムとデザイン」@東京国立近代美術館

インバウンド観光に関する話題が賑やかな昨今ですが、日本で始めて対外的な観光キャンペーンが行われたのは1920-30年代。第一次世界大戦後に到来した世界的な海外旅行ブームに対し、日本政府は1930年に国際観光局を発足。「美しい日本」のイメージを、竹久夢二や杉浦非水らがポスターやパンフレットに描きあげました。

豪華客船や汽車など乗り物から、美しい日本の風景など旅をモチーフとしたものを中心に、当時の日本の観光資源とそこから浮かび上がってくる日本のイメージに迫る企画展「ようこそ日本へ 1920-30年代のツーリズムとデザイン」が、東京国立近代美術館にて開催中です(最寄駅:東京メトロ東西線/竹橋駅 1b出口より徒歩3分)。

第一次世界大戦を機に、世界の鉄道網や海路が大きく発展。世界規模でのヒトやモノの移動が一層盛んになったこの時代。1930年代中頃には外国人観光客数は4万人を超え、その消費額は1億円を突破。円安効果もあって、観光産業は綿織物、生糸、人絹織物に次ぐ第四位の外貨獲得高を占める重要産業でもあったそうです。

1920-30年代は、富裕層が享受していたツーリズムの機会が、中間層から労働者層へと拡大された時代でもあります。また、ヒトやモノの移動に付随して、日本画が海外へ、海外の芸術が日本へ影響を与えた時代でもあります。そんな時代のダイナミズムや、世界と日本の歴史•情勢など多様な視点から楽しめる本企画展。

観覧料は一般430円、大学生130円。高校生以下は無料です。なお、2月7日(日)は無料観覧日となっています。
イベント詳細はリンク先よりご確認ください。
author:ミー